先日、「ジャズ・ウーマン」というコンピレーション・アルバムを聴いていた時に、イリアーヌが歌う「イパネマの娘」に出会いました。ボサノヴァのスタンダードであり幾多のカバーがあるこの曲を、自家薬籠中のごとく操(あやつ)る演奏に興味を持ちソロ・アルバムに当たった次第・・・。

結果は大正解!、久しぶりに心揺さぶられるアーティストに出会えました・・・。特にこの「夢そよぐ風(原題:Dreamer)」は、完成されたイリアーヌ・サウンドが堪能できる傑作だと思います。2004年発表の16thアルバム。

彼女のボサノヴァを語る時によく"ネイティヴ"という言葉が使われますが、それを日常音楽としていない僕にはよく判りません。ただある種の"スタイル"に裏打ちされていることは確かで、これはスローなテンポの楽曲で顕著に見て(聴いて)取れます。



例えば「フォトグラフ」。BPM=90ぐらいでボサノヴァのリズムとしてはかなり遅い部類なのに、決して重くならない・・・。楽曲の緩急、陰陽に関わらず"軽快感"がキープされるのがボサノヴァだとするならば、それを見事に具現化していると言えるでしょう。

Eliane Elias/Photograph (Youtube)

他には「タンジェリン」。ペダル・ポイントの上に積み上げられた混沌から、サブ・ドミナントになだれこむイントロには思わず降参。また、イリアーヌの弾くピアノ・ソロには独特の清涼感があり、その理由はジャストより少しだけ先食いするリズム感にあるのでは・・・と。

Eliane Elias /Tangerine (Youtube)

ストリングスの使い方も絶妙で、このセンスを是非吸収したいもの。ジャケ写の良さも相まって、しばらくはこのアルバムにハマリ込むことになりそうです・・・(笑)。


ジャズ・ウーマン〜Mellow Tunes