クラシックのことを書くのは久しぶりです。3年前のリニューアル以来かな・・・。前は取り憑かれたようにクラシックばかり聴いていたけど、最近はトンとご無沙汰。なので、今どんなアーティストが旬なのかもよくわかりません。

ところが先日、ユジャ・ワン(王羽佳)というピアニストの存在を知り驚いた次第・・・。この映像は、メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第1番からの抜粋ですが、彼女のポテンシャルが十分伝わってきます。(2009年開催のヴェルビエ音楽祭・メンデルスゾーン生誕二百年記念コンサートより)
 
 

鋼琴(中国語でピアノ)を軽々と弾き廻すテクニックもさることながら、楽曲を捉える構成感が抜群で、これが演奏の切れ味になっているのかなと・・・。作曲当時のメンデルスゾーン(22歳)の瑞々しい情熱が、止め処なく溢れ出ているようです。

クルト・マズアとのマッチングもベスト。ヴェルビエ祝祭管弦楽団はユース・オーケストラのようで、メンバーは皆若い。メンデルスゾーンの大家であるマズアのタクトに、跳ね馬の如く応えているところも成功の一因でしょう。 このコンサートの模様は下記DVDに収録されていますが、全楽章の模様を記しておきます。


ヴェルビエ音楽祭(Mendelssohn in Verbier) [DVD]

<第1楽章>Molto allegro con fuoco(快速で、火のように烈しく)
冒頭から、寄らば斬られそうな雰囲気。この曲を"メンデルスゾーン鑑賞の奥座敷"なんて言う人もいるけれど、"赤絨毯の敷きかれた迎賓館"に通されたかのような充実ぶり。特に、作曲家の指示した"火のように烈しく"を、これ程までに体現した演奏は聴いたことがありません。

<第2楽章>Andante(歩くような速さで)
切れ目なく続く第2楽章、前章の終盤から始まる弱音の美しさも見事。まるで、スピードを緩めた時に車窓の風景が変わる様に、音楽の景色に彩りを添えています。これを聴いた限りでは、彼女のピアノ・タッチには引き出しが多く、それを適所で使い分けているよう・・・。

<第3楽章>Presto-Molto allegro e vivace(きわめて速く〜快速で活き活きと)
最終楽章も表情豊か。ギアの入ったテンポ、中間部はモーツァルトを聴いているかのような愉悦と悲哀。そして、往年の藤川球児が見せたような"火の玉ストレート"が投じられると、目くるめくフィナーレへ・・・。万事周到な仕立てには感服するばかり。

またクラシックに嵌(はま)り込むかも?・・・そんな気にさせてくれる衝撃の映像でした・・・。