ボロディンが作曲した「ダッタン(韃靼)人の踊り」は、テレビCM等で使われていてお馴染みですね・・・。ソチ五輪の開会式でも、ロシアを代表する作品として採用されました。元は、彼が手掛けたオペラ「イーゴリ公」の第二幕で用いられた曲です。

このオペラはボロディンの存命中(1833-1887)には完成されずに、リムスキー=コルサコフやグラズノフの補筆によって仕上げられました。オペラ全曲が演奏される機会があまりないのは、その辺の事情もあるのかもしれません。

「ダッタン人の踊り」は組曲のようになっていて、最初の「囚われの女達の踊り」が特に有名。冒頭の合唱は、"風の翼に乗って、歌よ故郷へ帰れ・・・"という意味らしく、捕らえられた女性達の望郷の念を表しています。ボロディンはこのテキストに抜群の旋律と和声を付けたと言えるでしょう。



この映像は、スタニスラフ・コチャノフスキーの指揮でメリハリの効いた素晴らしい演奏です。舞台構成や楽曲の雰囲気に合わせて照明のカラーリングが変わるのもわかりやすい。

ちなみに、"韃靼(ダッタン)"とはタタールの中国呼称。でも、このオペラの主人公"イーゴリ公"が戦ったのは、モンゴル帝国が支配してタタールに組み込まれる以前のポロヴェツ。なので、「ポロヴェツ人の踊り」とするのが妥当のようです。(英題は、"Polovtsian Dances"となっている)

・・・そうだったんだ!

N響カレイドスコープ〜ダッタン人はどんな踊りを踊ったか