フランスものをベルリン・フィルで聴くというのはある種の抵抗感があるのですが、変なこだわりは捨てた方が良いのかもしれません。実に古式ゆかしい「パヴァーヌ」で、国籍や時代を越えた名演だと思います。




そもそもパヴァーヌとは、16世紀のヨーロッパに普及した行列舞踏とのこと。つまり、この曲は一種の懐古的作品であり、フォーレだからフランスのエスプリを効かせてなんて考える必要はないのでしょう。

それに、ベルリン・フィルも今や多国籍集団。指揮者サイモン・ラトルは生粋のイギリス人だし、エマニュエル・パユはフランス語圏のスイス出身。アメリカのメジャー・リーグのように、そのジャンルでの最高舞台の一つであって、ドイツ本流のというスタンスは無いのだと思います。

ただ、どっしりと安定したベルリン・フィル・サウンドをたっぷり聴いてしまうと、もう少し軽さや清廉さが欲しくなるもの。そんな時は、こんな演奏はいかがでしょう。





クレジットを読むと、ポーランドのクラクフ・ヤング・フィルハーモニックとあるので、クラクフ・フィルハーモニー管弦楽団のユース組織なのかな?。音楽の清廉さは特筆すべきで、特に01:55からのストリングス・アンサンブルには心が洗われる思いがします。

テンポがほぼ同じなので、両者の演奏がすんなり体に入ってきますね。聴き比べることで、活き活きとしたパヴァーヌの音楽が香りたつ・・・そんな至福の映像です。