最近はYouTubeでクラシック音楽を聴くことが多いのですが、これは!と思うアーティストを見つけると嬉しくなります。この演奏は、モーツァルト・クラリネット協奏曲の理想形の一つと言っても良いでしょう・・・。



クラリネット奏者は、Annelien Van Wauwe。ベルギー出身の新進演奏家で、まだ日本では名が知られてないよう・・・。こういう時に困るのが名前の読み方ですが、ナクソスの紹介ページでは、"アンネリエン・ヴァン・ヴァウヴェ"と表記されていました。

オケはミュンヘン室内管弦楽団。冒頭の序奏からしてこれはイケる!と確信しましたね。ソロイストが一音も発していないのに何故だかはわかりませんが、きっとその力量が伴奏者に伝わっているのでしょう。指揮者が見当たらないけどコンマス主導なのか?、演奏の乱れも無くお見事です。

ここで聴けるのは、あくまでも清麗快活なモーツァルト。室内楽団の響きはバロック様式の如くで、澱(よど)みない音楽の流れが素晴らしい。演奏は第2楽章の深〜い呼吸感を経て、フィナーレ(第3楽章)へと続きます。

第2楽章
第3楽章

注目したいのが短調の扱い。フィナーレのめまぐるしい転調部分においても、短調をことさらエグッたりはしません。イン・テンポを基本に弱音で処理することで、陰りや寂寥感を和らげているよう・・・。反対にフェルマータ(5:05-5:12)はたっぷり取って、ちょっと戯(おど)けたニュアンスも出ています。

でも、これでいいんじゃないか・・・と。若いのだからモーツァルトの短調に"人生の苦味"を込める必要もないし、そんなことをするのは却って不自然。そのかわり、とびきりフレッシュな演奏で聴き手を元気にしてくれます。

是非一度、来日して欲しいですね・・・。