TOTOの5tnアルバム「アイソレーション(Isolation)」から、「エンジェル・ドント・クライ(Angel Don't Cry)」です。この曲はアルバム収録曲の一つに過ぎませんが、妙に惹かれるものがあります。楽曲としては完璧、ヒット性も十分あるのに、何故か当時シングル・リリースされませんでした・・・。


ボーカルも演奏もsolidで、カーンと突き抜けたサウンドは、今までのTOTOには無かった味わい。僕はこのアルバムから参加したファーギー・フレデリクセン(Vo)が好きで、彼の個性と従来のメンバーとのconfliction(衝突)が、アルバム全体のテンションを高めていてgood!です。

この曲はフレデリクセンとデヴィッド・ペイチの共作。他にも、フレデリクセンが手掛けた楽曲には、タイトルナンバーの"アイソレーション"、"ミスター・フレンディ"、"チェンジ・オブ・ハート"があります。いずれも素晴らしい出来で、30年経った今聴いていも色褪せない内容の濃さ感じます。


アイソレーション

が、不思議なことに、いずれもシングル・カットされていない。普通に考えれば、新ボーカリストが際立つシングルの選曲をして良いように思うのですが・・・。商業面を含むいろんな理由があるにせよ、何か特別な意図を感じざるを得ません。(下注)

それは、突き詰めればTOTOにおけるボーカリストの位置付けでしょうか。"ボーカルは楽器の一つでありフロント・マンではない”というバンド・コンセプト、およびその中で求められる柔軟性が、フレデリクセンのアーティスト性と合わなかったのだと思います。

バンドの"顔"にはしたくない意向が微妙に働いて、シングル・リリースが回避された・・・と考えるのは穿った見方かもしれません。でも、彼が本作だけでTOTOを脱退してしまう理由も、そこだったんじゃないかな・・・と。あわ良くばもう一作、彼のボーカルでTOTOを聴きたかったものです。

ところで、フレデリクセンは昨年の2014年に癌で亡くなりました。その直前(2013年)に、この曲のセルフ・カバーが発表されましたので埋め込んでおきます。ボーカルの鮮度は相変わらずで、オリジナルとキーも同じ。これが還暦を過ぎた声かと驚いてしまいます・・・合掌。


このセルフ・カバーが収録された遺作のアルバム「ANY GIVEN MOMENT」も超オススメ。


ANY GIVEN MOMENT

(注)シングル・カットされたのは次の4曲
・Stranger In Town (Paich/J.Porcaro)
・Holyanna (Paich/J.Porcaro)
・How Does It Feel (Lukather)
・Endless (Paich)