クリスティアン・ティーレマンが指揮するブラームスの声楽曲は、丸みのある柔らかい響きで聴き手を包み込んでくれる極上の音楽です。まずは、「運命の歌(Schicksalslied) 作品54」からお聴き下さい。


Berliner Philharmoniker


ブラームスの書法は重厚にして構造的・・・となると、得てしてオケやコーラスは厚ぼったくなりがち。でも、この演奏は実に軽やかで、天上に誘われるような感覚を覚えます。魂が浄化されるような音楽とは、こういうものを指すのでしょうか・・・。

もう一曲、同じくティーレマン指揮による「哀悼の歌(Nanie) 作品82」。


Berliner Philharmoniker


思うに、交響曲や協奏曲ではベートーヴェンの影を追い、室内楽や器楽では師であるシューマンを意識せざるを得なかったブラームスにとって、声楽曲というジャンルは何のプレッシャーもかからない唯一の場所ではなかったかと・・・。

ましてや、オペラに手を出してワーグナーとも対抗する・・・なんてことはあり得なかったのでしょうね・・・。そんなブラームスの心情までも汲み取れるような、素晴らしい演奏です。

【追記】
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