タンゴというジャンルは、若い頃の僕にとっては余り馴染みのないものでした。昭和初期に、タンゴのリズムに乗った歌謡曲(藤山一郎などに代表される、いわゆる"タンゴ歌謡")が数多くあったせいか、やたら古臭いイメージがあったように思います。

リアルタイムでは、昭和44年(1969年)に発売された「黒猫のタンゴ」が唯一の体験(笑)。ただこれは、"皆川おさむ"という子役が唄っていたので一種の童謡のような感じ、一方、コンチネンタル・タンゴの名曲として知られる「碧空」などは、ムード音楽という括りでグッと年配向きの印象・・・。
kuronekonotango  akfredhause
つまり、当時の自分に浸透するようなタンゴ・ミュージックは存在しなかった訳で、これは昭和30〜40年代生まれの日本人にとって、少なからず共通する音楽事情だったかと思います。(下注)

そんな中、時が下った平成10年(1998年)のテレビCMで、ヨーヨー・マの演奏するリベル・タンゴを耳にした時は衝撃的でした。流麗なチェロの奏でとタンゴ・テイストが高度に溶け合い、芸術的に洗練されたこの楽曲を聴いて、今までのタンゴのイメージが一新されたような気がします・・・。




ワールド・ミュージックに対するヨーヨー・マの先見性と、それを起用したサントリーのコマーシャル・センスには、今更ながら驚きですが、これを機に「リベル・タンゴ」は様々なアーティストに取り上げられました。次はアコーディオン奏者、ゾーイ(Zoe Tiganouria)によるラテン・バージョン。



クールでスタイリッシュなアレンジ、男心をくすぐる(?)映像が堪能できる作品です。尚、ゾーイの配信サイトでは、キューバ・バージョンやクラブ・ミックス・バージョンも提供されています(試聴可能)。

Amazon > デジタルミュージック > Zoe Tiganouria

他には、リシャール・ガリアーノによるソロ演奏。これはエグい!・・・。

Richard Galliano playing Libertango

【追記】
リシャール・ガリアーノの記事をアップしました(2015/7/10)。

【追記】
リベル・タンゴのピアノ独奏版をリンクしました。

ピアソラ:リベルタンゴ/山本京子編 Pf.高木早苗 (Youtube)

(注)「黒猫のタンゴ」と並ぶもう一つのタンゴ調ヒット曲、「だんご三兄弟」は1999年の作品。