先日、車の中でNHK-FMにチャンネルを合わせると、マーラーの2番が聴こえて来ました。派手な演奏ではないけど説得力があり、思わず聴き込んでしまったのですが、家に帰ってから番組表をチェックすると、NHK交響楽団定期公演のライヴ放送であることが判明。

ちなみに指揮者はパーヴォ・ヤルヴィで、番組表に"N響首席指揮者就任記念"とあったのを見て、はじめて彼が次の首席に就いたのを知った次第。20年前のデュトワ、10年前のアシュケナージの時は事前にわかってたけど、今回は迂闊でした・・・というか告知が薄いんじゃない?

何はともあれ、日本の公共放送にヤルヴィが一役買ってくれるのは目出度い話。彼のレパートリーの中心がドイツ後期ロマン派(ブルックナー、マーラー、R.シュトラウス)あたりなのも、N響の伝統を考えるとマッチングが良さそうです。

ヤルヴィの表現は、楽曲の全体像から細部へとブレイク・ダウンしていくアプローチで、それは大曲であるほど本領を発揮します。自らの御披露目にマーラーの2番を選んだのも頷ける話で、彼の卓越した構想力と手綱捌きは充分聴衆に伝わったのではないかな・・・と。

という訳で、今回はフランクフルト放送交響楽団(現:hr交響楽団)の首席指揮者だった頃のオーディオを埋め込みました。圧縮された音声ファイルでは、ニュアンスの削ぎ落とされている部分があるでしょうが、それでも演奏に込められている情報量は当代随一だと思います。


しかし、彼の真価を感じ取るには、やはり生演奏が一番なのでしょう・・・。大阪公演は予定されてないのかな?・・・


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