ドゥービー・ブラザーズ(The Doobie Brothers)が活躍した時期は、主に3分類されます。
トム・ジョンストンをリーダーとして隆盛した70年代前半、マイケル・マクドナルドが加入しグラミー賞受賞まで上り詰めた70年代後半〜1982年、そして、バンド解散を経てジョンストンを中心に再結成された1989年以降です。
1972年発表の「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック(Listen to the Music)」は、トム・ジョンストンが刻むリズムギターによってサウンドメイクされた初期の代表曲。
今回は、この楽曲が3つの時期と現在でどのように演奏されてきたかを辿ってみる、少々マニアックな企画です。
<目次>
1.オリジナル・バージョン(1972)
まずはこの曲のオリジナル・バージョン。オランダのテレビ番組"TOPPOP"からのもので、1972年10月28日に放送された貴重な映像。
但し、バレバレの口パク演奏で、音源はレコードそのもの。タイラン・ポーター(Bs)や、のちに正式加入するジェフ・バクスター(Gt)の顔も拝めます。
2.第二期バージョン(1982)
次は第二期のリッスン・トゥ・ザ・ミュージック。トム・ジョンストンがバンドを離脱していた頃は、アレンジをガラリと変えて演奏されていました。
これは1982年のフェアウェル(解散)ツアーからのもので、マイケル・マクドナルド色の濃いR&Bサウンドになっています。
ジョンストンに変わってリードヴォーカルをとるのはコーネリアス・バンパス。彼を初めて見た時、元関脇の荒勢かと思いましたけどw。
アレンジを変更したのは、作者でありサウンドの要でもあったジョンストンへの配慮なのかもしれません。彼の復帰を皆が待ち望んでいたわけですね・・・。
荒勢vs若三杉 (昭和51年七月場所)
3.第三期バージョン(2004)
次は、トム・ジョンストンが復帰した第三期のライブ演奏。
2004年、ウルフ・トラップ国立公園に於けるもので、彼を中心にしたギターアンサンブルの爽快感は比類がありません。
それにしても、トム・ジョンストンは若い!(当時55歳)。一方のパトリック・シモンズは、同い歳ながら既に"孝行爺"といった様子で対照的。
ちなみに、リードギターはジョン・マクフィーで、ドラムの一方はキース・ヌードセン。残念ながら、ヌードセンは翌年の2005年に急逝してしまいます。
如何でしょうか?。やっぱりこの曲は、ジョンストンのボーカルと彼の掻き鳴らすギター・ストロークを抜きにしては考えられませんね・・・。
この映像を見ていると、「俺は、これしかできないぜ・・・悪いか!」と叫んでいるようにも思えてきます。
4.客演バージョン(2014)
最後は、2014年に発表されたダメ押しとも言うべきセルフカバー・バージョン。但し、リードボーカルは客演で、バンドメンバーが脇を固めるスタイルです。
新旧のゼネレーションが化学反応を引き起こす新感覚のセルフカバーは、アルバム「サウスバウンド」に収録。トレイラーはコチラから↓。
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